海外D-star運用

#下記の記事は2017年1月ごろに書いたのですが、「非公開」となっていました。
#塩漬けするのもあれですから、せっかくなので、「公開」にします。
#当時の内容ですのでご了承ください。

D-star、HFに限らず海外と交信するにはいろいろな部分を考慮する必要がありますが、ここでは少しこれらについて掘り下げてみたいと思います。

分類方法はかなり雑なのですが、ざっとこんな感じでしょうか。

インフラの問題

D-starでゲート超えの交信を行う場合、必ずインターネット回線を経由しますが、日本側、および海外側それぞれのネットワークが正常に動作している必要があります。日本の場合は常時高速回線が安定して動作していると思いますが、ところ変われば、海外の場合(豪州)はまだまだADSLが多いです。ようやく光回線が普及してきたというところです。当然、日本側が正常であっても海外側においてはダウンしている場合もありますので、コレがコケているといくら適切に端末を設定したとしても交信ができません。
かろうじて、指定したRPTからの「UR?」、もしくは「RPT?」で状況が判断できるところでしょうか。また、「JK3ZNB F」用いて、最低でも日本国内のネットワーク状況は確認できますね。

言語の問題

海外との無線交信を行う上で一番のハードルは「言語」であり、ある程度の基本的な英会話力はD-starであれ、HF帯であれ必要かと思います。

HF帯で海外と交信する際は基本的に「英語」でやり取りを行うことと思いますし、これはD-starであっても同じです。
また、日本から海外のD-starレピータに対して、「CQ」を出すときも明確に海外局と交信がしたいという意思表示が必要です。

HF帯であれば「CQ DX」という風に呼び出し先を指定しますよね。
D-starであっても、やはり呼び出しを行っているレピータ名を織り交ぜるなどし、「自身が海外レピータに対してCQを出していること」を現地の方に知らせる工夫が必要です。

私自身も英語はまだまだ堪能ではありませんが、やはり「英語らしく」発音することでずいぶんと違ってくると思いますし、英語が苦手でも丁寧に発音されている方、乱暴な口調の方も差は明白です。

CQ誌の付録などでありました、ハムの英会話冊子などが簡単にまとまっており便利です。
簡単なあいさつ程度でも覚えておけばFBかと思います。

残念ながら、日本国内と同じ感覚、たとえば「えー、レピータお借りしますよ~、CQ~、CQ~、こちらはぁ、じゃぱーん…」はよほどの親日家でない限り応答は期待できないでしょう。

残念ながら日本語はマイノリティなのです。


地域特有のレピータの問題

現状、D-starには日本、アメリカ、ヨーロッパとそれぞれのシステムが稼働していますが、豪州の場合(VK3RWN)の場合、USトラストサーバにコネクトされていますので、日本からも問題なくアクセスが可能です。今回のQSOもこのVK3RWNから行いましたが、問題なく通話ができました。

一方で豪州国内でも他のレピータはヨーロッパが主体となっているircDDBサーバに接続されているため、日本からの場合、このircDDBサーバに接続されている一部のレピータからのみアクセスが可能です。

膨大なレピータが海外で運用されるなかから、アクティブな運用が行われているレピータを探すのは少々難しいものと思います。
当然、現地の何らかの状況などによっては全く運用されていない状態も考えられます。
そういった意味では、D-starusers.orgのWEBサイトからで直近での運用履歴があったレピータ※に狙いを定めてCQを出してみるなど、HF帯で海外局と交信するとはまた違ったアプローチが必要と思います。

その中で、「VK3RWN」はメルボルンの広域レピータ的な位置づけ(標高600mの山頂付近に設置)であるため、比較的多くのD-star愛好家が利用していますし、またircDDBではなく、USトラストサーバに接続されていますので、比較的容易に日本から交信が可能ではないかと思います。

※日本からの場合、USトラストに接続されているアメリカのレピータを呼び出すのが吉。
※EU圏はircDDBが主流であるため、日本からはごく一部のRPTのみから可能。


伝搬の問題

HF帯で海外と交信を行うには、その時の季節や時間帯などによって電波の伝搬状況が異なるため、日頃の運用からの経験則やRBN等を活用して状況を把握する必要があります。また太陽活動にも大きく依存します。

一方でD-starの場合はVUHF帯を基本的に用いますので、これらの影響を受ける可能性は低いと考えます。
またインターネットを介して通信を行いますのでフェージングや急なノイズの影響も受けず安定しており、しかもFMモードのようにクリアな信号です。

時差の問題

しかしながら、これはHF帯、D-starともに当てはまるのが、「時差」の問題であり、現地時刻に考慮した運用が求められます。
当然、現地の深夜は早朝は運用頻度も落ちることになりますので、交信チャンスは必然的に低くなるでしょうから、D-starであっても運用する時刻を工夫する必要があります。特に日本から見て、アメリカ、ヨーロッパ各国は東西に広がり時差の幅が大きいです。
そういった部分から見ても、豪州(VK3RWN)は日本との時差は1時間(現地サマータイム時2時間)ですので、あまり時差を意識しての運用は不要です。

時差:https://www.time-j.net/


HF帯での海外交信と比較すると、ハンディー機で海外と交信できるD-starは非常に手軽になりましたが、海外と交信することはHFもD-starも変わりありません。

英会話や時差、現地の運用状況はじめ、HF帯では必要でなかったD-star特有のレピータの適切な選択やネットワークの依存など、ここはアマチュア無線の醍醐味の一つである、「不確定」な要素もどのようにすればクリアできるか楽しみつつ運用できればと思います。

長々と書きましたが、少し配慮することで、交信のチャンスは広がるものと思います。


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by JM3EHG | 2018-09-14 05:16 | アマチュア無線 | Comments(0)
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